味、姿、香り、食感。四拍子揃った晴れの国の多彩な「旨い米」。
日本の稲作の起源は古く、縄文時代に大陸から伝わったとされています。岡山県南溝手(みなみよこて)遺跡において、約3500年前の土器の器面に籾の痕跡が発見されるなど、縄文時代の稲作の痕跡が発見されている岡山は、古くからの米どころです。
晴れの国と呼ばれるほどの「豊かな日照量」、瀬戸内海沿岸地特有の「温暖な気候条件」、岡山三大河川がもたらす「豊富な水」、自然あふれる「肥沃な大地」…。恵まれた環境を最大限に活かして、中国地方最大の米穀生産地として発展してきました。
岡山県の地形は、山地、高原や盆地、平地と様々で、標高も気温もそれぞれ変化に富んでいます。そのため、地域ごとにそれぞれの気候風土に適した品種を選定し、栽培しています。
たとえば、盆地や山間に一枚一枚整備された水田が多い岡山県北部では、山地の有機物の豊富さと気温較差を活かし、コシヒカリやあきたこまちが栽培されています。管理の行き届いた棚田が特徴的で、なだらかな起伏を見せる岡山県中部には、数多い酪農・畜産農家から有機物が供給されることから土作りに重点をおき、ヒノヒカリやコシヒカリが盛んに作られています。温暖で水や肥沃な土壌に恵まれるなど、米づくりに適した岡山県南部では、ヒノヒカリやアケボノ、朝日米などが栽培されています。
高級米として知られるコシヒカリ、その血統を受け継ぐヒノヒカリやあきたこまち…。中でも、コシヒカリやササニシキなどのルーツで、寿司店や料亭から高く評価されている朝日米や、炊きあがりのみならず冷めてもおいしいと評判のきぬむすめは、岡山自慢の「旨い米」。
また、日本に唯一残る酒米の原生種で「幻の酒米」とも称される雄町は、国内収穫量の約9割を占めています。
味や姿、香り、食感はもちろん、安全・安心な品質をも追求して作られる多彩な米。岡山の米で、ほっこりと温かい食事のひと時をいかがでしょうか。
取材協力:全国農業協同組合連合会 岡山県本部