モノを生み出す人々と現場

ハーブ農家

石村 卓美 さん ・ 志津子 さん

石村 卓美 ・志津子
写真:カモミールカモミール
写真:石村卓美さん・志津子さん夫妻

「人が育てていないものを作りたい」。
第2の人生をかけてハーブを栽培。

「食」のグローバル化に伴って、家庭で使われることも増えてきたハーブ。そのひとつ、日本ではカミツレと呼ばれるカモミールは、江戸時代に薬草としてオランダを経て日本に伝来したと伝わります。

ハーブに魅せられ、15年ほど前から多彩なハーブを栽培しているのが、『株式会社 夢百姓』を営む石村卓美さんと志津子さんご夫妻です。
サラリーマンとして働きながら米やブドウの兼業農家を長く続けてきた卓美さんが、退職を機に昭和初期から続く家業のブドウ農園を継ぐ決意をしたのは平成13(2001)年のこと。その後、志津子さんが趣味で育てていたハーブに興味を持ったことから、ハーブ農家へと転換していきました。
「もともと、人が作っていないものを作りたいと考えていたんです」
と卓美さん。
当時は、近隣にハーブの栽培方法を知る人がいなかったため、本を頼りに志津子さんとともに試行錯誤を重ねて、栽培品種を増やし、畑を拡大していったと言います。

写真:ハーブティー

「見る」から「食べる」への転換。
無農薬栽培のハーブティーを発売。

石村さん夫妻は、平成14(2002)年に1500m2のハーブ園を観光農園として公開しました。その翌年には「訪れる人にひと息つける場を提供したい」と、喫茶店をオープン。カモミールやレモングラスなどを用いた5種の自家製ハーブティーやコーヒーなどを振る舞うようになりました。
当時は、まだ家庭でハーブを使用する人は少ない時代だったため、来訪者にハーブティーのいれ方などを教えることも多かったと言います。

写真:作業する石村志津子さん
写真:レモングラスを収穫する石村卓美さんレモングラス

「レモンを加えることで、きれいなブルーからピンクに変わるコモンマロウや、ブラックからワインレッドに変化するブラックマロウなど、ハーブティーは香りや味だけでなく、色やその変化も楽しめるのが特徴です」
と志津子さん。そんなハーブを「もっと知り、暮らしの中で使ってもらいたい」と、それまで自店でのみ販売していた自家製ハーブティーを2009年から本格的に商品化。
「農家として自分が作ったものは、責任を持ってお客さまに届けたい」。
そんなポリシーから、栽培、摘み取り、乾燥、瓶・袋詰め、ラベル貼りまで、すべてを自らの手で行っているのです。さらに、質の高い品を提供するため、「品種はもちろん、葉の大きさによって乾燥時間を変えて、それぞれのハーブ本来の色を残す」ことに、強くこだわってもいます。

写真:ハーブ園の風景
写真:ステビアステビア
写真:ホーリーバジルホーリーバジル
写真:ローゼルハイビスカスを収穫する石村夫妻ローゼルハイビスカス
写真:ハーブソルト・ハーブティー
写真:ハーブティー
写真:石村夫妻

「暮らしの中で
もっとハーブを楽しんでほしい」。
さまざまに役立つハーブソルトに注力。

「ハーブを生活に上手に取り入れることで、生活の質が高まれば」。
そう話す卓美さんは、「暮らしの中で役立つハーブ商品」を目指し、平成26(2014)年に新たな商品づくりに着手しました。
ハーブ園を訪れた一流ホテルの総料理長の「これが本当のハーブの味だ」という太鼓判や、当園のフレッシュハーブを使う岡山市内のレストラン・シェフたちの評価にも後押しされてのことでした。やがて同年12月、食品の商品開発などを手掛ける会社の協力を得て、4種のハーブソルトも開発。

「農業もやり方しだいで『夢』がある」との思いから社名を「夢百姓」とした夫妻。
現在は、「もっと多くの人に当園のハーブを使ってほしい」と、新商品のローゼルハイビスカスのジャムづくりに取り組んでいるそうです。

写真:石村 卓美 さん
写真:石村 志津子 さん

Profile

ハーブ農家 株式会社夢百姓
石村 卓美(いしむら たくみ)・石村 志津子(いしむら しずこ)

岡山市東区のブドウ農園の3代目として生を受けた石村卓美さんと、旧佐伯町(現和気郡和気町)の農家に生まれた志津子さん。平成21(2009)年に当社を設立した夫妻は、ハーブを栽培しつつ、6次産業化にも注力している。

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