モノを生み出す人々と現場

ブドウ農家

河原 勉 さん

河原 勉
写真:高梁市の風景
写真:ブドウを持つ河原さん

標高300~500mの中山間地域で
真面目にブドウを栽培する。

標高300~500m。岡山県中西部に位置する高梁市(たかはしし)は、吉備高原からなる丘陵地。昼と夜の寒暖差、高梁川の清流の恵みなどの気候風土を生かし、ピオーネをはじめ、瀬戸ジャイアンツ、紫苑などの品種を栽培する県内有数のブドウの産地です。

「ここでブドウ作りを始めたのが、今から約15年前のことでした」。
そう当時を振り返るのは、この地でブドウ農家を営む河原勉さんです。ブドウ棚の販売や設置を行う業者でしたが、「植物が好きで、自然に携わる仕事に携わりたかった」という思いから、並行してブドウ作りへ新規参入。

写真:ブドウを抱える手

「ブドウの苗木を植えてから収穫できる1人前の原木になるまで、4~5年はかかる」という根気のいるブドウ栽培。初めて収穫できたときは、「言葉にならないほど、嬉しかった」と言います。

15年前は30aだった農地が、今では4倍の約1.2haに広がり、130本のブドウ原木を栽培するまでになりました。「岡山のブドウは、やっぱりおいしい」と言われるような上質な逸品を育むため、日夜休むことなく、ひたすらにブドウと向き合あっています。

写真:作業する河原さん

ブドウは口のない生き物。
だからこそ、真摯に向き合い、
その声に耳を傾ける。

河原さんのブドウ栽培は、10~11月にかけて行う土作りから始まります。ブドウ作りは土作りが肝心。掘り起こして堆肥・肥料を与え、土壌管理を行います。さらに、12月には裏山の落ち葉をブドウ畑に敷き詰め、土壌水分が適切となるよう、土作りに余念がありません。

写真:ブドウの袋かけ
写真:作業風景

寒さの厳しい1~2月にはせん定作業が待っています。1本の枝に栄養を集中して送るため、よい枝を見極めて残す作業は経験が必要不可欠。そうして選別した枝に実がなると、200粒を35粒近くまで減らす摘粒(粒を間引く)作業が始まります。7月には袋かけを行い、雨や病害からブドウを守ります。「当たり前ですが、これらはすべて手作業」と河原さん。

「ブドウは口のない生き物です。その声を聞くために、休むことなく畑に出て、ブドウの状態を注意深く観察します」。
真剣なまなざしでブドウと向き合う姿は、まるで木と対話しているかのよう。「岡山のブドウはおいしい」と言われるゆえんは、こうした手間をいとわない生産者の努力の結実にほかならないのです。

写真:作業風景
写真:作業風景
写真:並んだブドウ
写真:さまざまな種類のブドウ
写真:ブドウの箱詰め
写真:綺麗に箱詰めされたブドウ

栽培するのは24品目。
ブドウの奥深い魅力を味わってほしい。

「気付けば、24品目も栽培していた」というブドウ畑には、ピオーネを筆頭に、オーロラブラックやブラックビート、シャインマスカットやゴールドフィンガー、紫苑やサニードルチェなど、個性豊かな品種がそろいます。それだけ品種があるということは、それだけ栽培方法があるということ。日射を遮るため笠を付けたり、肥料を変えたりと、手間はかかりますが、「ブドウの奥深い魅力を味わってほしい」という思いから、多彩な品種にも精力的に挑みます。

写真:河原さんと家族

実が色づく9月になると、一日多いときで約900房、約500kgのブドウを収穫。ミネラルを多く含み鮮度の証である果実表面に付く白い粉「ブルーム(果紛)」が取れないように、慎重に丁寧に収穫を進めます。

現在、息子と一緒に親子2人3脚でブドウを栽培に励みます。
「全国に誇れるブドウを届けたい」。
一途な思いを胸に、今日も畑に向かいます。

写真:河原 勉 さん

Profile

ブドウ農家
かわはらぶどう園 河原 勉(かわはら つとむ)

昭和44(1969)年、高梁市に生まれ育つ。平成11(1999)年にブドウ栽培を始め、現在は約25品目を栽培。寒暖差があり、風通しのよい丘陵地で育つブドウは、色づきのよさ、高い糖度に定評がある。

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