モノを生み出す人々と現場

マスカット農家

3代目 平本 純大 よしひろ さん

平本 純大
写真:マスカットの温室
写真:マスカット農家 平本 純大 さん

マスカットの一大産地・倉敷市船穂ふなお町で
一途に、そして真面目に、栽培に励む。

「くだもの王国」岡山が誇る特産品のひとつ「マスカット・オブ・アレキサンドリア」(以下マスカット)。エメラルドグリーンの美しい果実、豊潤な香り、深みのある甘みが魅力で、その気品あふれる姿・味から「果物の女王」と呼ばれています。

「日本で栽培されるマスカット。その9割がここ岡山で作られています。」
と話すのは、倉敷市船穂町でマスカット農家を営む平本純大さん。岡山県西部に位置する倉敷市船穂町は、県内指折りのマスカットの産地です。水量豊かで水質のよい高梁川(たかはしがわ)の恵み、雨が少なく温暖な気候、風通しのよい丘陵地で栽培されるマスカットは、甘く大粒な逸品ぞろい。現在、約50戸のブドウ農家が味を競うなか、平本さんも「おいしいマスカットを全国に届けたい」という思いから、一途に、そして真面目に、マスカット栽培に励んでいます。

写真:マスカットの手入れ

緻密な手仕事で1粒1粒に愛情を込めて。
数々の努力と熟練の技が、
最高の品質を支える。

「祖父の代から農業をはじめ、父の代でマスカット栽培に転換。私も父の背中を追い、マスカット栽培に励んでいます」。
大地がつなぐ絆を大切に、平本さんがマスカットを作りはじめて約15年。気温の変化や生育の具合に気を配り、まるで我が子を育てるように、丁寧に手入れを行います。
船穂のマスカットはハウス内を大型の加温機で温める加温栽培が中心。寒さが厳しい冬に、ハウスへ温かい空気を送り込み、冬眠状態のマスカットを目覚めさせることからマスカット作りがはじまります。

写真:温度計
写真:マスカット

徹底した温度・換気管理、水や枝葉の管理を行い、春を迎える頃になると、マスカット作りでもっとも重要な摘粒(粒を間引く)作業が待っています。一房に200粒近くもある実を70粒に摘粒し、さらに実が太ると約50粒まで摘粒。
「摘粒が出来上がりのよさを左右するため、ここが腕の見せどころ」
と真剣な表情でマスカットと向き合う平本さん。粒の良し悪しを見極め、完熟した時の姿を思い描きながら行う作業は、熟練の技と経験が必要不可欠。目で見て、肌で感じて、そして時には樹や実と語らうように。緻密で繊細な手仕事を積み重ね、1粒1粒に旨みが凝縮した見た目麗しいマスカットが、ようやく出荷の時を迎えます。

写真:作業する平本さん
写真:作業用のハサミ
写真:木になるマスカット

おいしさはもちろん、
「美しさ」にもこだわって。
お客様に喜んでもらうため、
マスカットを作り続ける。

他県のブドウが逆三角形の房型なのに対し、岡山のマスカットは円筒形になるよう整えられます。
「味はもちろんですが、美しい房型も重要」
と平本さん。品格ある房型を追求するため、緻密さと技術力が必要な剪定作業はもちろん、仕上げの箱詰め作業にまで細心の注意を払います。並々ならぬ美意識こそ、「岡山のマスカットはおいしく、そして美しい」と全国から称されるゆえんなのです。

「その一言が何よりの励み」
と語る平本さん。確かな技術と細部に宿る美意識で、1粒1粒に愛情を込めて。今日も真摯に、マスカット栽培に励みます。

写真:マスカットの重さを量る
写真:マスカットの箱詰め
写真:箱に詰めたマスカットを整える
写真:作業する平本さん
写真:平本 純大 さん

Profile

マスカット農家
平本 純大(ひらもと よしひろ)

マスカットを専門に栽培する農家。父は県の品評会で1位、2位を受賞した実力者で、その背中を追い、日々マスカット栽培に励む。現在は、ハウス10棟を所有し、年間約2万5000房を出荷する。

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